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いつもなら、近いから腹減ったら家に帰れるけど、今日はそういう訳にはいかないよな。
うっかりしてた。
「アインの家ってここから近いの?」
「ええ。食事も自分で作っているけど、私1人分の食材しか無いわ」
俺が発言する前に、撃沈。
「……1人暮らしなの?」
「ええ。母親はたまに食材を持って来てくれるけど」
母親は、って事は父親は来ないのか。
自分の子供なのに無責任な親だ……。
「生まれた子供がよく知らない病気で、しかも周りから避けられたら、さすがに嫌だわ」
自分の両親を庇うかの様に、心底嫌そうに言った。
朝はまあまあ早く出たが、結構日が高くなってきた。
木陰も小さくなっている。
「じゃあ、私は一度帰るわ」
そう言ってアインが立った。
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