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「じゃ、俺も行く」
俺は立ち上がって、腕を上げて背中を伸ばした。
昼飯は一旦戻ってパンでも買う事にした。
俺が伸びしている間に、アインは歩き始めていた。
早いな。
「アイン」
呼んだら振り返ってくれた。
アインの程良く短い、白い髪が揺れた。
「またここ来る?」
「日差しが弱まったら来るわ」
それだけ聞いて手を振った。
アインは周りに生えた木の陰をなぞる様に、日陰から離れず、
大回りして、集落の端の家に入って行った。
それを俺は最後まで見ていた。
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