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朝、いつものように銃を抱えて家を出た。 今日は家にあったパンも持って行く。 迷わず、村の東に向かって歩き始める。 また何人かに声を掛けられる。 時々、俺を見ても声を掛けず、ヒソヒソと話す女達を見た。 妙な違和感。 気に入らない。 何か言いたいなら、言えば良いのに。 親父の友達の中には、 「東の白い女に近づくな。ろくな事が無い。酷い事を言うが、お前の為だ」 と言って来る人も居た。 やっぱりその方が男らしい。 天の邪鬼な俺には効果が無い事だけどね。 アインは今日も居るかな。 何時から居るのか知らないな。 いつでも1人で、寂しいと思ったりしないのだろうか。 俺も1人だが、村に行けば話し相手くらい見付かる。 彼女は、日陰から出れない。
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