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その木の陰を睨むように、子供達は立っている。 5人くらい居るが、数人は石を木の根本に投げつけていた。 少し離れた所だけど、猟に慣れた俺には、子供達の標的になっているそれが見えた。 うずくまった人だった。 その人物が何者かが気になって近付く。 顔を本でかばう風に持っている少女だった。 何より気になるのはその髪だ。 日陰で分かりにくいが、白っぽい色をしている。 村をはじめ、この辺りの人間の髪は黒か茶色だ。 外国人だろうか。 戦争が多発する時代だから、ああやって嫌われてるんだろう。 ……しかし、あの餓鬼、なんかムカつく。 10歳になってるか、なってないかの子供にムカつく、18の俺。 そう考えると、情けない。
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