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何となく、少女の隣に座る。 「何?」 「別に何も」 本当の事を言うと、気になる所が多いから。 「君、何者?」 「いきなり失礼ね」 そうだよな、人に聞くなら先に自分が言わなきゃ。 「俺はこの村の西に住んでる猟師でレイミスって言うの。普段は西の山で猟してるんだけど、今日は東の山に行こうかなと思って来たんだ」 俺は紹介したぞ。 「あら、同じ村の住人の事も知らないの?」 「ふーん。君、この村の人なんだ」 思いきり溜め息吐かれた。 だってその髪見たら外国人だと思うじゃん。 「私はこの村で生まれ育ったわ。両親もこの村の生まれよ」 正直、驚く。 じゃあ、その髪と目の色は? 「私の両親は黒髪に茶色い目をしているわ。私は、病気らしいの」 そんな病気もあったんだ。 俺は黙っていた。
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