始まり

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「そんなに睨まないでください こちらに敵意はありません」 まるで自分のことなど相手にする価値もないと言わんばかりに穏やかな口調で話す男に悠輝は苛立ちを感じていた 「なら、自己紹介でもしたらどうだ?」 「そうでしたね、私としたことが礼儀を怠るなど、申し訳ありません」 まったく悪びれる様子もなく話す男に悠輝は苛立ちをつのらせていた そして男は優雅に一礼して口を開いた 「私はレイス、レイス・グランディスと申します」 「レイスさん、ね 俺は…」 「霧島悠輝さん、でしょう?」 自分の言葉に重ねられたことに少々の苛立ちを感じたが、それ以上に自分の名前を知っていることに驚いた。 「貴方のことは少し調べさせて頂きました」 すると、悠輝の顔が歪んだ 「あんた、どこまで調べた?」 「名前と生い立ちくらい、ですかね」 すると、歪んでいた顔が嘘であったかのようにもとの顔に戻った。
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