届け

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家に帰ると、私の部屋に紙飛行機が落ちていた。 いつもの事なので、仕方なく机に座って紙飛行機を開く。 『いい加減、窓くらい閉めて出かけろ!!』 汚い字で書かれた文字を読んでため息をつく。 そして、机の上にあるメモに返事を書き、それで紙飛行機を折る。 開けたままの私の部屋の窓の向こうには、同じく開けたままで中に人がいない部屋があった。 私はその部屋に紙飛行機を投げ込んでから、窓を閉めた。 もう一度、ため息をついてみるが、鏡を見ればそこに映る私の顔は頬が緩んでいた。 面倒くさいと思いつつも、どうやら本心は楽しんでいるらしい。
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