届け

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そうして紙飛行機を使い、くだらないやり取りを続けている間に、楽しくなってきていた。 そんなある日。 部屋に落ちていた紙飛行機には、 『また、引っ越すことになった』 そう書かれていた。 もともと両親の仕事の都合で引っ越しが多かったらしい。 …閉められた窓の向こうには、ダンボールにまとめられたら荷物だけが置いてあった。 私はメモに伸ばしかけた手を止めた。 「窓が閉まってたら、何も言えないじゃない…」 鏡に映る私の顔は、今にも泣きそうな、悲しい顔をしていた。
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