飛べ

2/8
前へ
/15ページ
次へ
放課後。 一人の少年が、屋上でフェンスにもたれて座り込んでいた。 その手には一枚の手紙があった。 少年はその手紙を見ながら、何度目かの大きなため息をついていた。 「…また今日も言えなかった」 少年が手紙を開くと、そこには自分が昨夜書いてきた文字があった。 「そもそも口じゃ言えねえからって、今どき手紙は無いよな」 自嘲気味なセリフを吐きながらまた、ため息をつく。 「むしろマジで渡してたら、ただの笑い者だわ」 そう言いながら自分でも少し笑っていた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加