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「…いつからここに?」
ようやく出た言葉はそんな質問だった。
先程までの独り言を聞かれていたかを確かめようとしたのだ。
「ついさっきだよ。…そしたら君の声が聞こえて」
つまり少女は紙飛行機のくだりしか聞いてないということだった。
それを聞いて少し安心するも、まだぎこちない様子で少女から紙飛行機を受け取る。
「…風が無いからって言って諦めるのはよくないと思うよ」
少女は少年をまっすぐ見つめながら話しをはじめた。
「君はただ、それを理由にして逃げてるだけなんじゃないかな?」
少年は、元の位置で腰を降ろすと答えた。
「…俺には……どうしようもないんだよ」
「自分が動けばいいだけじゃない。…それが怖いから諦めたふりをしてるんでしょ?」
少女はその横に立って少し怒ったように言った。
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