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「俺は……」
少年は何も言い返せなかった。
しばらく沈黙が続いたあと、先に口を開いたのは少女の方だった。
「…まあ、私も今まで動かなかったんだから、人のこと言えないんだけどね」
少女は少年が何も言わないのを確認すると、笑顔をうかべ少年の目の前に座った。
少年にまっすぐ向けられたその笑顔は、少女が最初に屋上へ上がって来たときと同じだった。
「…なんで私が、ここに来たかわかる?」
少女は、不安と覚悟。…そして嬉しさが混ざり合った、そんな笑顔で少年に聞いた。
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