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ー10月2日ー
俺はいつものように高校に登校し
いつものように机に向かい。
いつものように友達とバカ話をしていた。何事もないつまらない一日だった……
のはずだった…………
「今日の授業はこれで終わりだ。気をつけて帰るように、以上」
聞きあきた担任の台詞、
教室のなかは授業中と違って騒がしい。
「絢斗ぉ~今日カラオケ行こうかと思うんだけどっ!!アンタも来ない!?」
と俺の机に両手をバン!!と置いた目の前にいる少女は 田神 優花(タガミ ユウカ)、俺の幼なじみ。
長い赤い髪を後ろで束ねている。いわゆるポニーテールというやつだ。
優花は容姿もよく明るく運動神経もいいのでわりと男子人気がある。
しかし無神経でガサツで馬鹿なコイツのどこがいいのやら俺には理解しかねる。
「あー悪い、今日は頭痛いから辞めとく」
頭は痛くはないが寮で暮らす俺は金欠なのだ。
「じゃ、駅前に新しくできたゲーセンは?」
目の前にいる友人は日本語がわからなかったらしい…
「だから頭痛いからパス。」
「え~、じゃあバッティングセンターは~?」
どうしても、こいつは俺を暇潰しに使うつもりらしい……
「だ・か・ら💢行かないってんだろ!!」
と俺は丁寧にお断りをして教室を逃げるように去った…
「ちょっ!!待ちなさいよ~!!まったく何で逃げるのよ。」
彼女はこしに両手を当てながら綾斗を見送った。
どこか悲しげに……
今、思えばこの時、優花とすごしていれば…死なずにすんだかもしれない。
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