世界観のつかみみたいなもの

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「ははっ、こいつ超弱いんだけど」 狭く暗い路地裏で、罵りながら倒れうずくまっている適度に引き締まった体格の少年と、彼に追い討ちをかけるように腹部に蹴りを入れる細身の少女。その表情は凶悪で、整っていたかわいらしい顔が台無しになっている。 一方で少年は、抵抗する事ができずに、蹴られる度に咳き込んだり、苦痛の声を上げている。一般人から見れば明らかにこれはおかしい、普通は立場が逆の筈だ。 うずくまりながら少年は思う、低能力狩り遭うなんて、ついてねぇ。 低能力狩り。言葉通り、能力の低い者を狩る行為だ。無能力狩り、という言葉もあるが、少年は能力を有しているため、低能力狩りなのだ。 では能力とは何か。色々な物があるが、それはひとくくりに超能力と呼ばれる。
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