109人が本棚に入れています
本棚に追加
/130ページ
修二が話しだした。
「さっそくなんだけど、今日の朝お前と少し話しただろ?
俺さーdream gameについて結構前から考えてたんだよ」
「実は、あたしも…」
「そうだったんだ」
まじで知らなかった。
「でもそんなに出たい理由ってなんなんだよ」
二人とも少し黙っていたが修二が先に口を開いた。
「俺はどうしても優勝して母さんを楽にしてやりたい」
修二のお母さんは修二が小さい頃離婚して修二のことをひとりで育ててきた。
修二は母さんがどれだけ苦労してきかたわかってる、
だからこそなのだろう。
「そっか、そうだよな」
空気を読んだらしく、奏が続いた。
「あたしは、弟の病気を治したい」
奏は涙を流していた。
奏の涙は美しかったが寂しかった。でも決心した目をしていた。
奏には病気の弟がいる。
俺も何回か見舞いに行ったことがあるが、心の優しいいい子でお兄ちゃんお兄ちゃんといって懐いてくれた。
あんなに優しい子がなんで苦しまなくちゃいけないんだ?
俺の姉ちゃんにしたってそうだ…
そして、俺の番がまわってきた。
最初のコメントを投稿しよう!