5.ばばぬき

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翌朝 10月12日、1stステージ前日。 俺はみんなより先に目が覚めた。 ここは地下2000m、部屋に太陽の光が入ってくるわけがない。 この施設には朝、昼、夜がない。だから時計の数字をあてにするしかなかった。 なんだかいつもぱっとしない気分だ。 俺は一人で温泉に入りに行った。 朝早いせいか人はいなかった。 明日がばばぬきか、今日はみんなで練習がてらトランプでばばぬきでもするか。 と、考えながらゆっくりと湯舟に使っていた。 少しすると、あとから健と修二が入ってきた。 俺ら以外誰もいなかったので、気にすることなく話すことができた。 「奏としずかは?」 「まだ気持ち良さそうに寝てた」 「そっか、やっぱり疲れてんのかな?」 今度は健が答えた。 「この環境の変化はかなりきついからな」 「そうかもなー」 すると、俺が話したかったことを健が切り出した。
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