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翌朝
10月12日、1stステージ前日。
俺はみんなより先に目が覚めた。
ここは地下2000m、部屋に太陽の光が入ってくるわけがない。
この施設には朝、昼、夜がない。だから時計の数字をあてにするしかなかった。
なんだかいつもぱっとしない気分だ。
俺は一人で温泉に入りに行った。
朝早いせいか人はいなかった。
明日がばばぬきか、今日はみんなで練習がてらトランプでばばぬきでもするか。
と、考えながらゆっくりと湯舟に使っていた。
少しすると、あとから健と修二が入ってきた。
俺ら以外誰もいなかったので、気にすることなく話すことができた。
「奏としずかは?」
「まだ気持ち良さそうに寝てた」
「そっか、やっぱり疲れてんのかな?」
今度は健が答えた。
「この環境の変化はかなりきついからな」
「そうかもなー」
すると、俺が話したかったことを健が切り出した。
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