Ⅰ章 新学期

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「朔(さく)―いるか―」 この店の店主、輝空(るい)は13年前に預かった朔那(さくな)の名を呼んだ。 「いるよ―」 返事をした本人は、今年で高校二年になる。 「あれ、つけてるか?」 長椅子の上でグデーとしている輝空は聞いた。 「あぁ、これだろ」 制服の似合う朔那は首から星形のネックレスを取り出した。 「ちゃんとかけてるって、心配性」 そのネックレスの中央には 半分黒と半分青の宝石のようなモノが埋め込められている。 「かけないで、高熱を出したのだ~れだ」 春休みの最初の一週間は寝て過ごしてしまったのだ。熱のせいで…… 朔那は妖(あやかし)に魅入(みい)られやすいので、それを防ぐ為にネックレスを着けさせていた。 「アハハハ……で本題は?」 「話をそらすか……それで、連れて来るのか?」
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