Ⅰ章 新学期

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「だ…誰を?」 (…バレた?) 後半に友だちと遊んだ時に『家に行きたい』と 言われたので『見えるなら』と言う言葉を残した。 「…今度こそいいんだな」 「えっ?」 中学までは友人を連れて行くと、分からないといわれ、次の日からいじめを受けてしまった。 「…今回は…大丈夫」 朔那は輝空の目を見て言うと、ニヤッと笑った。 「連れて来るんだな」 はっと気付いた時には遅かった。 (…は…はめられた) 「まぁ~それはいいとして、これ」 投げて寄越した物は小さい袋だった。 「何…これ?」 「"見えない"ようなら食わしてやれ、いいな」 「サンキュー輝空。じゃ、学校行ってくる」 立ち上がると、踵(きびす)を返して、廊下に出た。 ――行ってら~―― 天井から声が聞こえた。玄関へ出ると、洗濯を干している弧月と日向ぼっこをしている雪月がいた。 「行ってきます。2人とも」 「おう、行ってこい」 「行ってらっしゃい」 アーチをくぐると道へ出る。そして高校に向かった。
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