プロローグ

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「これ、コピー20部ずつ」 --パサッ… 私の机に無造作に置かれた資料。 顔を上げた先に見えたのは、他の社員と話す佐伯さんの後ろ姿。 もーーーっ!! 私は雑用係ではありませんっ! 「今日も佐伯さんカッコイイねっ…」 え?! 隣の席に座る同期の原田麻衣子が私の腕をボールペンの後ろで突っついてきた。 「そう?!」 とか言いながら、確かに格好良い・・・とは思ってる。 でもあんな無愛想な冷血男、私は好きじゃない…!! 「そう?って、どこからどう見てもカッコイイよ。女子社員憧れの佐伯さんと同じ部署ってだけで、どれだけ幸せか…」 うっとり顔の麻衣子を無視して、コピー機の前まで行った。 佐伯さんは既に自分の机に座ってパソコンを打っている。 私、佐伯さんに嫌われてるのかな? 雑用ばっかり頼まれる…。 仕事の戦力にならない私が邪魔なのでしょうか…? この大手・医療機器販売の会社に入社して6ヶ月・・・。 営業事務に配属されて激務をこなすものの、些細なミスばかりしてしまう。 私、この仕事には向いてないのかな………。
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