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「私達、同期。大学の時の同級生なの」
やっぱり、そうだったんだ。
じゃあ川島さんも、28?
「あなたも佐伯君のファン?」
「えっ?違いますっ…!あんな説教ジ」
やば、思わず口が滑りそうになってしまった。
危ない、危ない。
「ならいいけど。佐伯君を本気で好きになっても無駄だからね」
無駄…?
「何で…ですか…?」
あたしの質問に、川島さんは含み笑いで返した。
「考えれば分かるでしょ」
考えれば??
川島さんが給湯室の方に歩き出して、私も後ろから追いかけた。
何故、好きになっても無駄なのか。
う~ん…。
佐伯さんに告白→フラれる→理由→“好きな人がいるから″……かな?
それとも、彼女?
でも付き合ってる人はいないって聞いたけどな。
あんなイケメンなのに彼女がいない→女嫌い→実は同性愛者・・・・?
だったりとか???
俯きながら歩いていたら、ドンッと川島さんの背中にぶつかってしまった。
「ちょっとっ、前を見て歩きなさいっ…」
「すみませんっ…」
川島さん、怖っ…!
佐伯さんがいる時の態度とは大違い。
「とんだ問題児ねっ」
二重人格なのかな?
「ほら、行きなさい」
目の前は給湯室。
二人の女の人が中にいて、川島さんを見て頭を下げた。
「準備はできてる?」
「はい」
「じゃあ私は会長を迎えるからこの子をお願い」
川島さんが私の背中を押した。
「洗い物でもさせてればいいから」
洗い物なら任せて欲しい!洗い物で良かった!
お茶をひっくり返したらそれこそ即クビだ。
ここで会議が終わるのを待っていよう。
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