第1章 上司と部下

21/24
前へ
/496ページ
次へ
階段で5階まで下り、自分の部署に戻った。 「松田さんっ!!」 怒った顔をしてこっちに来る鹿野さん。 「こんな時間までどこに行ってたのっ!!」 どこにって……。 私が答えようとしたら、後ろから佐伯さんが入ってきた。 「あー鹿野、悪い!松田は俺といたから」 「佐伯さんっ…」 私を責めた鹿野さんの顔が引き攣ってる。 佐伯さんが鹿野さんの肩をポンッと叩いて自分の席に戻った。 私には目もくれない。 当たり前か。 「そういう事ですので」 鹿野さんに頭を下げた。 今日のミスは私がかぶりますけど、“次”は絶対にないですから!!! そう視線で訴えて、私も自分の席に戻った。 何も書類が置かれてない私の机。 今からどうしよう…。 お腹空いたな…。 「どーこ行ってたの~」 麻衣子が恨めしそうな顔であたしの腕にもたれかかってきた。 「秘書課だよ~洗い物してた」 「秘書課~?!」 パソコンに隠れてコソコソと事の経緯を麻衣子に話した。 川島さんの事も。 .
/496ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49550人が本棚に入れています
本棚に追加