第1章 上司と部下

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「オープン記念で今日だけビールがお代わり自由だって」 「嘘っ!本当に??飲み放題???」 「そっ。お前の好きな飲み放題!」 一人暮らしで貧乏生活の中、缶ビールを一本購入する事すら迷ってしまう毎日。 同期で飲みに行く時は、必ず飲み放題の店。 時間制限があったとしても、飲み放題ならかまわない。 「行くっ!!」 「よし!決まりなっ。6時にココ出ようぜ」 「了解!あ、青木君っ」 自分の部署に戻ろうとする青木君を呼び止めた。 「なに?」 「二人で行くの…??」 麻衣子や他の同期も誘っていいのかな? 「俺と二人じゃ嫌?」 なっ… またまたドキッとしてしまう。 「嫌じゃないよ」 「じゃあ後で!」 青木君が笑って、手を振って戻って行った。 あれ。 何だか遠くから冷ややかな視線を感じる。 パッとそっちを見たら、視線の主は佐伯さんだった。 “仕事もせずに何喋ってるんだ”---みたいな。 冷ややかなままそらされる視線。 チクチクと胸が痛んだ。 仕事がしたい。
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