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「オープン記念で今日だけビールがお代わり自由だって」
「嘘っ!本当に??飲み放題???」
「そっ。お前の好きな飲み放題!」
一人暮らしで貧乏生活の中、缶ビールを一本購入する事すら迷ってしまう毎日。
同期で飲みに行く時は、必ず飲み放題の店。
時間制限があったとしても、飲み放題ならかまわない。
「行くっ!!」
「よし!決まりなっ。6時にココ出ようぜ」
「了解!あ、青木君っ」
自分の部署に戻ろうとする青木君を呼び止めた。
「なに?」
「二人で行くの…??」
麻衣子や他の同期も誘っていいのかな?
「俺と二人じゃ嫌?」
なっ…
またまたドキッとしてしまう。
「嫌じゃないよ」
「じゃあ後で!」
青木君が笑って、手を振って戻って行った。
あれ。
何だか遠くから冷ややかな視線を感じる。
パッとそっちを見たら、視線の主は佐伯さんだった。
“仕事もせずに何喋ってるんだ”---みたいな。
冷ややかなままそらされる視線。
チクチクと胸が痛んだ。
仕事がしたい。
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