第1章 上司と部下

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自分の机に戻って、とりあえずパソコンを開いた。 「青木、何だって?」 興味なさそうな顔なのに聞きたいんだ、麻衣子さん。 「焼肉行こうって」 「焼肉??」 「うん・・・」 ちょっと顔が赤くなる。 「へぇ~青木と二人で焼肉ね~。青木もやるねぇ~」 麻衣子が、目を細めて嫌らしい笑みを浮かべた。 「そんなんじゃないしっ!!」 そう自分で言ったくせに、かなり意識している。 青木君と初デート?! みたいなものだ。 でも、6時までまだ3時間もある・・・。 今日は残業だってさせてもらえないだろうし、長いなぁ…。 「ね~麻衣子」 コソコソッと麻衣子に話しかけた。 「なに?」 「何か手伝ってあげようか?」 私と麻衣子は、営業事務というおおざっぱなくくりは一緒だけど、グループが違う。 あたしは佐伯班。 麻衣子は中村班。 グループが違う同士で仕事の助け合いは、してはいけない事になってる。 案の定…。 「上から怒られるからいい」 やっぱりね。 やる事が無い……。あと3時間もずっとここに座ってないといけない。 辛い。
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