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私を長年面倒見てくれた親戚の家に呼ばれてるんだ……。
渡したい物があるから取りに来いって。
何だろう…。
今日だけは残業を断って定時で会社を出た。
鹿野さんには睨まれたけど、仕方がない。
鹿野さんより叔母のほうが怖いから。
会社から親戚の家までは、電車を乗り継いで2時間もかかった。
約9ヶ月ぶりに通った駅の改札口。
歩き慣れた商店街を抜けたら、静かな田んぼ道。
寒くて寒くて、吐く息も白い。
帰りはどうやって帰ろうか…。
きっと誰も私を送ってくれないだろう。
まだ親戚の家に着いてないのに、もう帰る事を考えてる。
とにかく早く用事を済ませたい。
田んぼ道を抜けた先に建ち並ぶ一軒家。
何故か、親戚の家は明かりがついてなかった……。
叔母さん、今日って言ったよね…?
ゆっくりゆっくりガレージに近付いて、中を見てみた。
車が無い。
留守だ…。
ふと、庭先に置いてある紙袋が目に入った。
貼紙がしてある…。
携帯の光をあててそれを読んだ。
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藍子のもの。
持って帰って。
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私の物…?
何か置いて来た?
決別するつもりでこの家を出たから、何も置きっぱなしにはしていないはず。
恐る恐る中身を見てみた………。
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