第3章 上司に片思い

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涙が込み上げてくる原因は、他にもある…。 私が持ってるもうひとつの紙袋…。 叔母の好きなケーキ屋さんで買ったシフォンケーキ…。 もしかしたら一緒に食べる事になるかも…と心の奥底で考えていた。 嫌い合ったままでは嫌だったから。 改めて長年お世話になったお礼も言わないといけないと思ってたし、両親の法事も全て任せっきりだから完全に縁が切れる訳では無い。 歩み寄ってみたい気持ちもあった。 でもそれは私の一方的な思いだった。 もう……どうでもいいや……。 駅に着いてそのシフォンケーキをゴミ箱に捨てようとした瞬間、カバンの中にある携帯が鳴った。 時刻は午後9時前…。 麻衣子かな…?? 麻衣子だけは私の過去を知っているから、今日の事も話した。 だから心配してかけてきてくれたのかも……。 そんな事を思いながら携帯を開いた。 「佐伯…さん?」 佐伯さんから電話だっ………!!!!! 急いで通話ボタンを押した。
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