第3章 上司に片思い

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*** 午後11時20分…。 憂鬱な気持ちで佐伯さんが待つオフィスに戻った。 さっきの電話…。 佐伯さんに物凄く低い声で、“今すぐ会社に戻って来い”と言われた。 たぶん………。 いや、 絶対…………。 また何かやらかしてしまったんだ…。 どうしよう…。 ミスの大きさによってはクビもありえる。 どうかどうか、たいしたミスではありませんようにっ…。でもあの声ではそんな望みはもてない…。 クビだ…。 左遷だ…個人営業部行きかも…。 それか地方の製造部に飛ばされる…。 絶対に会社から追い出される………。 本っ当に…………どうしようっ………。 暗いフロアーに、コツンコツンと自分の足音が響く。 この階は、私達のオフィスだけ明かりがついていた。 鹿野さん達もいるのかな…。 もしかしたら、課長もいるかも…。 みんな私のせいで残業していたのかもしれない。 ゆっくりドアを開けて、一目散に謝った。 「ごめんなさいっ……!!」
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