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午後11時20分…。
憂鬱な気持ちで佐伯さんが待つオフィスに戻った。
さっきの電話…。
佐伯さんに物凄く低い声で、“今すぐ会社に戻って来い”と言われた。
たぶん………。
いや、
絶対…………。
また何かやらかしてしまったんだ…。
どうしよう…。
ミスの大きさによってはクビもありえる。
どうかどうか、たいしたミスではありませんようにっ…。でもあの声ではそんな望みはもてない…。
クビだ…。
左遷だ…個人営業部行きかも…。
それか地方の製造部に飛ばされる…。
絶対に会社から追い出される………。
本っ当に…………どうしようっ………。
暗いフロアーに、コツンコツンと自分の足音が響く。
この階は、私達のオフィスだけ明かりがついていた。
鹿野さん達もいるのかな…。
もしかしたら、課長もいるかも…。
みんな私のせいで残業していたのかもしれない。
ゆっくりドアを開けて、一目散に謝った。
「ごめんなさいっ……!!」
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