第3章 上司に片思い

8/12
前へ
/496ページ
次へ
「鹿野さんじゃありません……私が作ったんです」 もう2ヶ月も前の話しなのに、どうして今になってこんな事に…?鹿野さん、何でこんなデータを残してたの? 「お前、損な性格だな。人のミスをかぶって何平気な顔をしてるんだ?鹿野に黙ってろとでも言われたのか?」 もう佐伯さんの中では鹿野さんのミスだったって核心してるんだ。 「それとも、ミスをかぶってやったからって逆にお前が鹿野をおどしたり」「そんなことっ…」 思わず声が出てしまった。 「する訳ないじゃないですか…」 「だよな。それは俺にでもわかるさ。じゃあ黙ってろって言われたのか?」 違う……。 鹿野さんからは何も言われてない。 ただ、あのミスを私に押し付けただけ。 黙る私を見て、佐伯さんがため息をついた。 「このデータは…パスワードを入れないと見れなかった。鹿野がどうしてお前のミスにわざわざパスワードをつけるんだ?」 パスワード………??? 鹿野さんの考えてる事がわかんない。 自分のミスにパスワードを付けて取っておくなんて、どうしてそんな事…?! 「俺は…別に鹿野を責める為にお前に聞いてるんじゃない。鹿野本人を呼べばすぐに分かる事だ」 そうだよ……。 何で私が呼ばれたの……?
/496ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49551人が本棚に入れています
本棚に追加