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佐伯さんとの沈黙合戦が続く…。
時刻は午前0時を回り、警備員に「早く退社して下さい」と言われてしまった。
「……場所を変えるか」
そう呟いて立ち上がる佐伯さん。
自分のコートとカバンを持って、私に「出るぞ」と言った。
今日は、まだ帰れないんだ…。
気が重い…。
重た過ぎる……。
会社を出て、佐伯さんに付いて駐車場に行った。
「乗れ」
佐伯さんの車の助手席。
不謹慎ながらも高鳴る胸。
助手席のドアを開けたら、フワッと甘い芳香剤の匂いがした。
私も車を買ったら絶対にこの芳香剤を買う。
「お前もう飯は食ったよな?」
飯…?
そういえば食べてない…。
「まだ…です」
「まだ??お前今日は定時で帰ったんじゃないの?」
「………はい」
足元に置いたアルバムとシフォンケーキ…。
叔母からは、特に連絡はない。
動揺が続いて夜ご飯を食べ損ねたことにも気付いてなかった。
佐伯さんは何か言いたそうな顔をしてたけど、黙って車を発進させた。
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