第一章胎動

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「平和だね~」 「頭の中が?」 「失礼な!ボクの頭の中が平和なわけないじゃん!いつだって一希君とレンレンでせめぎあってるよ!」 「ふーん、てかどっちか一人にしぼりなさいよ星華」 「やだ!そんなこと言うなら千夏も同じじゃん。最近三年生が卒業してからはぁとかふぅとかため息ばっかりだよ?」 夕陽が入り込む図書室の中で千夏と星華の二人は話し合っていた。 「そんなことないって、ただ……」 「ただ?」 「あぁ……もううるさい!」 「シスコン千夏め!ついに暴れるか?」 「ぶっ飛ばすわよ?」 「シスコン千夏が怒ったぞ~」 「うっさい!星華にだけは絶対に言われたくない!あんたよりシスコンはいないでしょ」 「はっはっはっ~ボクのどこがシスコンなのさ~」 「あんたのお姉ちゃんは漣が嫌いみたいね」 千夏がにやけながらそう告げる。 「うぅ……このバカ姉!オレも嫌いだよ!」 「へにゃ!?レンレン!?待って誤解だよ!」 図書室を出て行った漣を追いかけて星華も図書室を出て行った。
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