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そしてそのまま3週間。何度も戦闘になるも、チヅルの圧倒的な能力と、それを補佐する俺の能力を前にしてレッドスキルは何もできずに取り逃がしていた。
ただ、ご丁寧に俺たちの行く先々に連中は待ち伏せしているので、中々目的に到着することができずにいる。
そういった意味では、奴らの思惑通りなのかもしれない。
痺れを切らした俺たちは、とりあえず補給だけでも済ませようと、こうしてチヅルの家に来たわけだが……、
俺たちを待っていたのは、先ほどの20人以上ものレッドスキルと、無残にも殺されていた、チヅルの家族だった。
そこから先は言うまでもなく、チヅルは半ば能力を暴走させるように発揮し、悪鬼羅刹を仕返したのだ。
俺は何と声をかければいいのか、わからなかった。俺も彼女と同じように家族を殺され、わけもわからないままこうして逃げ続けている。
二人とも、限界だった。
補給をしたとはいえ、これ以上の逃走は続けられない。いつしか限界が来て、殺される。
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