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沙紀の乗った飛行機が完全に見えなくなるまで僕は空を見上げ続けた。 そして、飛行機が見えなくなったのを確認してから、僕はゆっくりと視線を通常の位置に戻した。 その瞬間、再び僕の頬を涙が伝った。 僕は右手の甲で、涙を拭った。 だけど、どんなに拭っても、涙は止めどなく溢れ続けた。 沙紀のいない寂しさはこれほどまでに大きなものだったのかと、僕は実感していた。 だけど、沙紀はもう行ってしまったのだ。 もう、僕にはどうすることもできないし、沙紀にもどうすることもできないのだ。 僕は溢れ出す涙が落ち着くのを待ってから、モノレールの駅へと向けて歩き始めた。 その瞬間、僕はクラリと目眩を覚えた。 それほど激しい目眩ではなかったけれど、僕はその目眩の瞬間に自分の身の危険を感じた。 「こんなときに、発作が起きるなんて」 僕が呟いた次の瞬間、僕は先ほどとは比べものにならないほど激しい目眩を覚えた。 グラグラと目の前の世界が揺れて、真っ直ぐに立っているのもままならない。 僕はおぼつかない足取りで、何とか建物の壁に触れることのできる位置まで移動し、壁に手をついて身体を支えた。 しかし、まるで何者に力を吸い取られているかのように、僕の身体からどんどん力が抜けていく。 視界もみるみるうちにぼやけてゆき、辺りの景色は色を失っていった。 そして、ついに僕の目の前は真っ暗になり、僕は意識を失った。
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