第二章∮秘密

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紗雪に出逢ってから、俺は頻繁に病院へ通うようになった。 紗雪と会うのは、いつも屋上だ。 「あっ、シュー!来てたんだ」 紗雪は俺をシューと呼ぶ。 「サユは相変わらず、明るいな」 だから俺も、紗雪をサユと呼ぶようになった。 「シューだって、相変わらず静かだよ。もっと大声で笑えばいいのに」 サユは、いつも元気だ。 大声で笑ったり、はしゃいだり、まるで患者とは思えない。 屋上の、冷たい風に揺られながら、サユと話すのが好きだ。 人と話すのは、あまり好きではないけど、サユとなら何時間でも話し続けられる。 サユの話がユニークだとか、そういうわけではなく、ただ、とても楽なんだ。 気を使わずにすむし、サユの問い掛けは、いつも簡単で、単純なものばかりだったから。 「シューの夢はなに?」 サユは、真剣に俺の目を見る。 こんなちっぽけな質問をするだけに、目を見る必要があるのか。 「俺の夢は、医者になること」 腕を組んで、気取ってみる。 ホントは思ってもないけど。 「難しそう。勉強大変だね」 サユは首を横に傾けた。 小さい子供みたいで、可愛かった。 「そうでもないよ。夢なんて、努力次第で叶うし」 「えっ、本当!!?」 嬉しそうに、パァッと明るくなった
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