第二章∮秘密

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サユの表情で、心が温かくなる。 サユは、つまらない俺の話も、楽しそうに聞く。 不思議な少女だ。 14歳の女子なら、普通、今時の芸能人とか流行とか、そういうのが好きなのに。 「シューは誕生日いつ?」 「三月三十日だよ」 俺が答えると、サユはあからさまにびっくりして、大きな瞳を、さらに大きくした。 「…あたしと一緒だ」 ニッコリ笑って、俺の手を握る。 「すごいね!一緒だって!!奇跡みたいだねっ!」 『すごい』と連呼するサユ。 はしゃぎかたは、子供並だ。 「うんうん。すごいすごい」 俺がそっけなく答えると、サユは 「ホントにそう思ってる!?」 と不足そうな顔をした。 サユは雅美みたく、特別美人なわけではないが、明るさが可愛くて、なにかツボにはまる。 「シューは高三だよね?」 「うん。サユは中二?」 問い掛けると、サユはちょっとふてくされた顔をして、俺を見た。 「一応中三ですーっ」 サユは顔を背ける。 そんなすねることか? 一年しか変わらんねーだろ、と言ってやろうと思ったが、やめた。 「サユは、ちっせーもんな」 ヨシヨシ、と小さい子供にするみたいに、頭を撫でる。 からかうと可愛い。 ツンと口を尖らせて、リンゴのように頬を赤くする。
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