4人が本棚に入れています
本棚に追加
14歳にしては、少し低く
て、本当に少年みたいな声だ。
サユは、少しだけ目を開いていた。
「あたし…また倒れちゃったんだ」
「サユ、大丈夫か?」
問い掛けると、サユは笑った。
ちょっと力無い笑顔だった。
「だいじょーぶ。いつものことだし、慣れてるよ」
なんで無理してまで笑うんだ。
いちいち、面倒じゃないのか。
人に気を使うのが面倒で、苦手な俺は、サユの行動一つ一つが不思議でならなかった。
「…サユはなんの病気なんだ?一見、元気そうに見えるのに」
聞いた瞬間、サユは戸惑った。
目線が外れた。
サユの肌はあまりにも白すぎる。
でも、青白いわけじゃなく、綺麗な真珠みたいな色だ。
布団から出ている腕だって、枝みたいに細いけど、飯はちゃんと食ってるって言っていた。
ならどうして…?
こんなに元気そうにしてるのに。
「……秘密」
サユは、人差し指を唇にあてて、小さく、呟くように言った。
「なんで秘密にするの?」
「…言いたくないから」
なんで言わないんだ。
っていうか、人に言えない病名って、逆になに?
「サユ、教えろよ」
「嫌だってば」
サユは、俺と目線を外すどころか、背中を向けてしまった。
そんなに言いたくないのか?
でも、知りたかった。
最初のコメントを投稿しよう!