第一章∮出逢う

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雅美は結構、怪力だ。 弱々しそうに見えるけど、実際は、小中高と陸上をやっていた、エリートスポーツガールで、全国大会では3位という成績を残している。 「冗談だよ」 「わかってるっ」 パッと目があい、笑いあう。 この時は、死に方なんて考えないようにしている。 気付かれたくないのだ。 キーンコーン… 授業と、HRが終わった。 靴箱で、上履きから下靴へ履きかえる。 「…うわ」 一通の…手紙? カラフルな水玉の便箋。 裏には、[三年五組・小山サキ]と丸っこい字で書いてある。 …なんだよ、コレ。 わざわざ靴箱に入れなくても、手渡せばいいだろ。 つーか誰? 乱暴に便箋を開いていく。 [放課後、裏庭に来て下さい] …はぁ? 放課後って…今から!? わざわざ俺に歩いてこいと? 「ダル…」 「シュースッケ!!なんだよ、コレ手紙?」 友達の紺野忍(コンノ シノブ)が、後ろから抱き着いて来た。 後ろから手紙を見ている。 「んん!?放課後、裏庭に…って、お前またラブレターかよっ!?」 「るせぇ…」 ラブレターが俺に届くのは、いつものことだ。 「とりあえず、離してくれ」 苦しむのは嫌いだ。 だから楽に痛みもなく、苦しまずに、眠るように死んでいきたい。 「衆介、行くのか?」
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