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雅美は結構、怪力だ。
弱々しそうに見えるけど、実際は、小中高と陸上をやっていた、エリートスポーツガールで、全国大会では3位という成績を残している。
「冗談だよ」
「わかってるっ」
パッと目があい、笑いあう。
この時は、死に方なんて考えないようにしている。
気付かれたくないのだ。
キーンコーン…
授業と、HRが終わった。
靴箱で、上履きから下靴へ履きかえる。
「…うわ」
一通の…手紙?
カラフルな水玉の便箋。
裏には、[三年五組・小山サキ]と丸っこい字で書いてある。
…なんだよ、コレ。
わざわざ靴箱に入れなくても、手渡せばいいだろ。
つーか誰?
乱暴に便箋を開いていく。
[放課後、裏庭に来て下さい]
…はぁ?
放課後って…今から!?
わざわざ俺に歩いてこいと?
「ダル…」
「シュースッケ!!なんだよ、コレ手紙?」
友達の紺野忍(コンノ シノブ)が、後ろから抱き着いて来た。
後ろから手紙を見ている。
「んん!?放課後、裏庭に…って、お前またラブレターかよっ!?」
「るせぇ…」
ラブレターが俺に届くのは、いつものことだ。
「とりあえず、離してくれ」
苦しむのは嫌いだ。
だから楽に痛みもなく、苦しまずに、眠るように死んでいきたい。
「衆介、行くのか?」
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