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「行くけど…お前もくんの」
「もちろん♪」
紺野は、ふざけてばかりいる、ちょっと問題児。
なのにテストでは、学年三位だ。
一位は俺、二位は雅美だが。
「…静かにしてろよ」
俺らは、裏庭へ歩き出した。
裏庭には、[小山サキ]が、もう来ていた。
雅美と比べると、やはり下だな。
可愛くはない。
パッとしない素朴な顔立ち。
「ぁ、あのっ…ずっと好きでした!!よかったら付き合ってくださいっ」
小山という、彼女は俺に交際を申し込んでから、ギュッと、強く目をつぶった。
いや…俺、彼女いるし。
「俺、入須と付き合ってるから」
小山は、しばらく黙ってから、「そうですか…」とだけ言って、一度頭を下げてから、どこかへ走り去っていった。
「衆介は、簡単に女をフルなぁ…」
紺野は、呆れたように言う。
「そんなことねぇよ」
俺だって、フルときはいつも、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
生きているんだから、感情を持っていて、当たり前。
優しく断ったつもりだし。
「じゃ、俺用事あるから」
「えー!?遊びにいこーぜ!?」
強情に、俺を遊びに誘う紺野を、キッパリ無視し、歩き出す。
まだ、もうすぐ運命の出逢いがあるとはしらず…。
父さんの病院は、隣の町。
駅を出ると、
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