恋煩い

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彼女を放っぽらかして、別の女を作って家に連れてきた兄貴。 「なんだよ…」 そんな兄貴に、沸々と腹の底から怒りが込み上がって来た。 手渡された携帯電話を開いて中を確認してみる。 「やっぱりか」 案の定、彼女とのメールのやり取りが其処に記されていた。 …と言うか、よく見れば此れ… 「俺の携帯電話じゃん!」 紛失したはずの携帯電話。 兄貴が盗んだのか! …て事は、兄貴は自分の携帯と俺の携帯を2台使ってたって事? 「彼女…この事、知ってるのかな?」 知る訳ないよな、兄貴が浮気してる事なんて… しかし、何で今 携帯返したんだ? コンコン 部屋のドアを叩く音がした。 カチャ ドアを開けると、其処には兄貴がいた。 「なん…」 「お前、アイツに気があるやろ?」 んなっ!? ば、バレてた! 「其れ返すけん、二度と俺達の前でアイツの話を出すな!」 言うだけ言って部屋へ帰って行った。 俺は黙って自室へ戻った。
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