二人きり

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今日は1日、天城浩平として彼女とデートを楽しんだ。 …と言っても、そんなの最初の内だけ。 手を繋いで街中を歩き回ったり カラオケ行って、俺の美声を披露したり 個室な上に密室だから…イチャイチャベタベタやりたい放題だった。 そんな俺に、彼女は… 「浩ちゃん、今日は随分積極的だね?」 え… 兄貴って積極的じゃないのか! いきなりピンチ! 「あ、えっと…」 慌て出す俺。 だけど彼女は… 「ううん、今言った事は気にしないで?」 …もしかして、バレてる? “随分積極的” 彼女には消極的?それって… 考えるのは止めた。 例え、替え玉な俺でもいい! 彼女が喜んでくれるなら。 「お腹空かない?」 気が付けは昼も過ぎ、日も暮れてきた。 「お腹空いたね」 俺達は、繁華街を練り歩きやっとこ見つけた定食屋へ入って行った。 2名様ご来店…て事で、奥の席へ案内され 彼女と向かい合わせで座り、メニューを見て注文した。 俺は味噌豚カツ定食、彼女は生姜焼き定食。 「カツにしなくていいの?」 すると彼女は 「脂っこいの苦手なの」 言ってくれれば、豚カツ屋にしなかったのに…。 気を遣ったのか、また俺に合わせてくれたんだ。 やっぱ兄貴にゃ、勿体ねぇ!
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