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出会って数ヶ月。
深雪も無事に大学を卒業し、働き始め出していた。
もうすぐ、初めて会った夏がまた来ようとしていた。
その間、朗の為に何回か合コンの幹事もした。
女の子も紹介していた。
「で、朗先輩、この前の子、可愛かった?」
「可愛いいのか、分からない」
感想を聞くと朗は必ず、
『分からない』と言う。
だがそれを言うのには理由があった。
毅朗の言い分はこうだった。
『数時間しか会ってないのに、可愛いとか可愛くないとか判断するのは失礼かなっと。気になったらこの子をもっと知りたいなぁとは思うけど、すぐには好きにならないね』
「……うわぁ。真面目ですねぇ」
そんな真面目な思考で、合コンで彼女を作ろうなんて至極大変なことの様に感じる。
深雪は曖昧な苦笑をすると、突然朗は言った。
『深雪は?』
「うん?」
『深雪は彼氏いらないの?』
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