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「……莉麻ってエスパー?」
”桐山棗〈キリヤマ ナツメ〉”と莉麻が言った瞬間、碧衣は目を見開き口元をひきつらせる
そう、たった今自分が思い出していた相手の名前を言われたのである。
「エスパー??…いやただ、あそこに桐山くんがいるなーって思って」
その言葉にまた驚き、莉麻が指差す方を見ると確かにそこには彼がいた
教室の入り口、中には入らず廊下からこの教室内を覗いている
「ほんとだ…」
「ね!でも珍しいねー。ちょっとビックリ」
桐山の教室は二階にあり、一階にあるこの教室には普段こないのだ。
「うわぁ…それにしても西野さんたちスゴい。さすがイケメン好き」
莉麻が少し嫌そうな顔をする
西野さんたちとはさっきまで莉麻を睨んでいた女子グループで、今は桐山の所まで行き、嬉しそうに話しかけている
でも桐山は眉をよせ、無視を決め込んでいるようだが。
「それにしてもなんかキョロキョロしてるし、誰か捜してるのかなぁ……って碧衣ちゃん?」
莉麻が心配そうに碧衣を見る。碧衣はというと、困ったような焦ったような表情をして顔をふせていた
………いや、だって
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