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「へぇ愛されてるね、雪原って」
そういってきたのは工藤莉奈(クドウ リナ)。
クラスメートのひとりだ席が近いからか、よく話す。
金に近い茶髪は染めているらしくてピアスも開けている、まぁ美人だ。
由利には勝てないけどな。
それと彼氏も何人かいて一回工藤に「不良?」って聞いたら「女の人生に命かけてるだけ」って言われた。
因みに雪原は俺の苗字。雪原連、ドウダーカッコイイダロー。
「雪原も黒木さんのこと愛してるんだね」
「なんでわかるんだ?」
「ふふふ、だってこの工藤莉奈様に落ちなかったからだよ!」
そんな自己愛精神に長けていている工藤は胸を張っていってきた。
いや、まぁ、愛してはいるんだけどさ。
由利のこと。
愛してなけりゃ一緒にいることなんざ無理だろうよ。
「まぁ、工藤も可愛いっちゃあ可愛いけど……うん可愛い」
「おいお前、なんと言おうとした。」
“可愛いちゃ可愛いケド、由利のほうがかわいい”
そう言いそうになった。
由利の可愛さは半端ない。もう俺にデレッデレとか嬉しすぎて俺がデレッデレに溶けちゃいそうだ。
「まあ、私も彼氏いるしぃ!あんたらもお幸せにぃ☆」
「きもっおえっ」
「ひどっ」
何をさっきからどこぞの依存症みたいにあの近代的な電子機器(携帯)を扱ってると思えば……彼氏とメールか。
そういえばさっきチラリと見えたがハートマーク乱用してたなあ。
「マジ、タカユキかっこいい!」
「はっ、俺の由利のがかわいいし。」
「きゃあー!!“愛してるん”だってー!もう莉奈さん溶けそう!」
もう無視ですか。
とりあえずリア充爆発しろ(まあ俺が言えたことじゃない。)
ハァとため息をついて後ろを見るとそこにいたのは
「連くん!……誰と話してたの?」
由利、だった。
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