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そうだ由利を愛してるからだ。
「じゃあなんで!」
「比較の為だよ」
少し言葉が激しくなる由利にゆっくりと語りかけた。
「どれだけ由利を愛しているか、比較対象がいないと駄目だろう?」
ゆっくりゆっくり、赤子に話しかけるように由利に語りかける。
まあ言葉はすべて嘘だがな。
工藤莉奈という人物を由利との比較対象など思ったこともない。
工藤莉奈は工藤莉奈。
黒木由利は黒木由利なのだから。
すると由利はそれで理解したらしく俺に抱きつき気を失ったように眠った。
眠れ眠れ。
そして忘れろ。
自分のした、過ちなんて。
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