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修羅場(予感)
そーんな告白を、つらつら並べてみる。
手に入らない、とか言っておきながら、由利は我が腕の中。
今現在も「むきゅー」とか「連くん、いたーい」とか、きゃっきゃっ言っている。
「で、まさかと思ったけど、由利をボロ雑巾のように捨てたあんたが、今さら由利になんのようなんスか?」
お前見たいな、クズ野郎は俺が墓に埋めてやんよ。
しかも隣にいる工藤を、お前は大切にしてやれよ。いや、本気で。
なんか、嫌な予感がする。
「ねぇ、タカユキ、黒木さんと付き合ってたの……?」
「うん、そう。」
うわ、まさかまさかの修羅場っスか。
工藤は真っ青な顔をして、タカユキにしがみついている。
「莉奈、お前抹茶林檎買ってきてくんない?」
「……っ」
こいつ、マジで死ねばいいよ。
彼女をパシるなよ。
工藤は、はや歩きで教室の引き戸を開けて、教室から出ていった。
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