1.放課後の屋上

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「あんた私の下僕になりなさい!」  ……意味がわからん。  本当にわからん。  俺こと山吹隼人は本気で戸惑っていた。  とりあえず現在の状況を整理しようか。  茜色の空。  放課後の屋上。  目の前には銀髪の美少女。  時間的にも雰囲気的にも告白には最高のシチュエーション。  なのにだ。  何故俺はこんな意味不明な事を告げられてる?  ちょっと過去を反芻してみようかね。  ――  教室で睡魔と戦っていた4限目の授業が終了し、聞き慣れたチャイムが学園中にこだまする。 「ふぅ。やっと昼休みか」  呟きながら教科書やらノートを片付けていると、 「隼人さん、一緒にお昼しませんか?」  中性的な顔と華奢な身体をした黒髪の男子生徒が声をかけてきた。  彼の名前は中野忠士(なかのただし)。いい匂いもするが、一応男らしい。  初めて出逢った時は、なんて勿体無いんだ! とも思考していた。
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