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「あんた私の下僕になりなさい!」
……意味がわからん。
本当にわからん。
俺こと山吹隼人は本気で戸惑っていた。
とりあえず現在の状況を整理しようか。
茜色の空。
放課後の屋上。
目の前には銀髪の美少女。
時間的にも雰囲気的にも告白には最高のシチュエーション。
なのにだ。
何故俺はこんな意味不明な事を告げられてる?
ちょっと過去を反芻してみようかね。
――
教室で睡魔と戦っていた4限目の授業が終了し、聞き慣れたチャイムが学園中にこだまする。
「ふぅ。やっと昼休みか」
呟きながら教科書やらノートを片付けていると、
「隼人さん、一緒にお昼しませんか?」
中性的な顔と華奢な身体をした黒髪の男子生徒が声をかけてきた。
彼の名前は中野忠士(なかのただし)。いい匂いもするが、一応男らしい。
初めて出逢った時は、なんて勿体無いんだ! とも思考していた。
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