1.放課後の屋上

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「何か凄く失礼な事を考えられている気が……」 「気のせいだろ」  鋭いな。 「それより飯――」 「忠士、わ、私が一緒にご飯食べてあげてもいいわよ」 「いえ、私と一緒に食べましょう、忠士さん」  突如襲来してきた女の子2人。  俺の言葉を完全に遮ってくれた。 「あ、いえ。僕は涼太さんと……」 「「あ!?」」  恐っ!  カタギとは思えない声を上げ、俺を睨み付けてきた。 「ちょっと隼人? あんたが忠士を取るわけないわよね?」  金髪碧眼の美少女が詰め寄ってくる。  日本人から少し離れた人形のような顔立ち。白くて柔らかそうな肌。  高校生にしては低めの身長と発育があまり良くない肢体。  彼女は中野忠士の幼なじみであり、名前は“秋月真夜”(あきつきまや)である。  詳しくは知らないが、彼女は日本とイギリスのクォーターらしい。そのうち四分の三は日本の血を引いていると忠士から聞いた。
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