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ま、そんな感じ。
やっぱりスルーしとくべきだったな。
忠士のリア充具合に感化され、少しでも期待して来たのが間違いだった。
今更後悔しても遅いけど。
「そもそもお前は誰だよ?」
「わからないの?」
「わかるわけねぇだろ」
「今日の午後からあんたの教室にいたわよ」
「は……?」
いやいやいや。こんな奴クラスにいないぞ。
「不法侵入か?」
「本当に馬鹿ね」
呆れたような口調で喋り、踵を返してフェンスの方まで移動。
再びこちらに振り向いて、
「それとも演技してるのかしら?
――“天上の瞳”さん」
「なに?」
何故その名をこいつが知っている?
今の状態では戦闘もままならないが、警戒態勢だけは作る。
「お前、何者だ?」
「あ、やっぱりそれ訊く?
いい、よく耳に残しときなさいよ。私はね、未来からやってきた未来人よ!」
一陣の風が舞う。
カラスが鳴く音だけが響き、虚しい空気が当たりを包んだ。
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