1.放課後の屋上

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 ま、そんな感じ。  やっぱりスルーしとくべきだったな。  忠士のリア充具合に感化され、少しでも期待して来たのが間違いだった。  今更後悔しても遅いけど。 「そもそもお前は誰だよ?」 「わからないの?」 「わかるわけねぇだろ」 「今日の午後からあんたの教室にいたわよ」 「は……?」  いやいやいや。こんな奴クラスにいないぞ。 「不法侵入か?」 「本当に馬鹿ね」  呆れたような口調で喋り、踵を返してフェンスの方まで移動。  再びこちらに振り向いて、 「それとも演技してるのかしら?  ――“天上の瞳”さん」 「なに?」  何故その名をこいつが知っている?  今の状態では戦闘もままならないが、警戒態勢だけは作る。 「お前、何者だ?」 「あ、やっぱりそれ訊く?  いい、よく耳に残しときなさいよ。私はね、未来からやってきた未来人よ!」  一陣の風が舞う。  カラスが鳴く音だけが響き、虚しい空気が当たりを包んだ。
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