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そんな事を考えて苦笑してたら、
「ゆっくり休めよ?呼び出しあっかもしれねーけど。
俺出かけてくるな」
「いってらっしゃい、兄貴」
二人きりでいられる僅かなこの時間。
だけどこの僅かな時間がどれだけ大事なものかアタシたちは知ってる。
だから、それを「苦」と思ったことは一度もない。
昔はあったけどね。
「ああ、行ってくる」
そうして兄貴は少しアタシの頭を抱え込むように抱き込む。
疲れてたアタシの身体が、兄貴の力強い腕の中にすっぽりはまって、
アタシは身体を少し預ける。
「いってらっしゃい」
笑ってる兄貴の胸元のエターナルペンダントが揺れながら
『無理すんなよ』
そんな風に、チカッと光った。
…海斗…お兄ちゃんーーー………
小さいころのアタシの声が、聞こえたような気がして。
くすっと笑って、
アタシは食卓に戻って、後片付けをして、布団に潜り込んだ。
さすがに眠い。
そのまま、アタシは目をつぶり、
眠りへと落ちた…みたい。
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