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「ちょ、ゆうちゃん!痛いよ!」
さえの手首を強くしっかり掴んでテレビ局を出た。
さえの手首が赤くなっていたにもかかわらず、強引に車に載せて俺ん家に引っ張り込んで。
その間、一言もしゃべらない俺を見て、さえも最初は少し抵抗してたけど黙ってついてきてくれた。
なんだかDVみたいになっちゃった。ま、いっか。
さえを家に上がらせると、ベッドに座ったからそのままゆっくり押し倒した。
「ゆ、ちゃん。どしたの」
声が少し、震えている。気がした。何も言わずに、深いキス。
「ん…っ」
唇を離すと同時に伝わる銀の、ソレ。
「なんで、」
「ふぇっ…?」
「なんでつるのさんとこばっかりいるんだよ」
「別にっ、何でもないよ」
情けない、と思った。こんなんで、俺。脳内ではわかってても、気持ちはそうはいかない。
「何そんなに慌ててんの」
「何でもっ、っ――!」
なかなか正直に言わないから首筋をペロッと舐めてみた。
ほら、その顔もその声もその身体も。
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