チョコレート

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「のっく、チョコレート食べよう?」 「食べる食べる!」 すーちゃんは綺麗にラッピングされたチョコレートをぼくに差し出した。 (いつものアーモンドチョコレートも美味しいけど、たまにはこういうのもいいよね) ほら、すーちゃんの一言で一喜一憂するんだ。 そんなとこも、たぶんぼく今恋する乙女だ。あ、乙女じゃない、オトメン。 ぼくが悶々と思い詰めていると、すーちゃんに声をかけられた。 「のっく、調子悪いの?」 「ん?大丈ー夫」 ボーッとしてたからすーちゃんに心配されてた。 いけないいけない。 「そんなのっくに元気がでるおまじない!」 ちゅっ 「へ…?」 ぼくの頬には温かいすーちゃんの唇。 頭がついて行かない。え、すーちゃんから、ちゅう、ぼくに、ちゅう。(ぼくがバカだからじゃないはずだ!) 「…す、ちゃん」 「えへ/」 右のほっぺたを抑えながらすーちゃんを見る。顔真っ赤。ぼくも負けてないと思うけど。 「…すき」 「わたしも」 自然と言葉が出た。伝えなきゃいけないと思った。伝わらないと思った。恥ずかしさはあんまりなかった。すーちゃんが、応えてくれるってわかってたから。 口づけは甘いチョコレート味。 甘ったるいくらいがぼくらにはちょうどいいんだよ。 甘い甘いチョコレート、少しの苦味もたまには、ね? (すきだよ)(知ってる) 【END】
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