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かくして僕は二次元の合戦から生還し、不都合なメールが来ることすら予測し携帯電話なる近代科学の電源を落とした。
今回は一時的な撤退であり敗走ではない。寧ろ敵陣営の数を考えれば勝利ともとれる。
「しかし、こちらも無傷ではない…か。」
うっすらと膜を張ったココアを飲む。湯葉っぽいこの膜に名前はあるのだろうか…。
部屋中に静けさが走る。
「暇だな…。」
二次元の合戦でついた傷を癒すように静かに横たわった。
毛布にくるまり、まだ半分以上残ったココアの湯気を眺めてアメイジンググレースを口ずさんだ。
「ア~メイ~ジ~ングレィ~ス…」
歌詞はこれしか知らないので、鼻歌に変え眠ることにした。
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