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私は瀬戸くんに告白する場所を裏門からの桜並木に決めていた。
私はそこにあるベンチに腰掛けた。
桜は咲いていないし、裏門に続く道だから誰も居ない。
「今年はここの桜見られないな」
まだ蕾すらなってない桜の枝をじっと見つめた。
この学校の桜並木は本当にキレイで
どうして裏門からの道にしたんだろうって思うぐらい。
2年と3年の桜が咲いたときは
休みの日にこっそり忍び込んで楓とお花見したなぁ。
お互いにお弁当作って食べあいして
卵焼きが甘いだの
苺大福のあんこが多すぎるだの文句言い合いしてたな。
私はひとり笑いした。
今から好きな人に告白するってのに
楓の事ばかり思い出してるよ。
「相川さん?」
ドクン
私の鼓動がまた高鳴った。
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